3月4日の日記より

ブリがあがっているという。「あがっている」が、600尾とか800尾とか聞いてたまげた。わたしがいかに漁というものを知らないかを物語っている。8キロ9キロのがあがってると聞いても、それがどのくらいなのかも知らない。でかいのか、でかいのだろうけど、このくらいか(手を50cm幅に広げる)それともこのくらいか(1m)。

というわけで、職場の人たちの許しを得て漁協に急ぐ。まだ船は入っていないよう。ブリを待つ間、たむろしている漁師さんに話を聞く。聞くといっても、漁に関して無知すぎて、まともな質問もできやしない。おもしろがって答えてくれていた彼らが、おもしろがりついでに「姉ちゃんもカッパ持って来てブリ積むの手伝えや」と言い始める。だんだん冗談じゃなくなってきたので、まあいいかとカッパ持って来て長靴と手袋を借りた。
定置網をあげた船が入って来る。顔見知りの漁協部長に呼ばれて行くと、数取り器を渡される。「しばらく数えとって」。完全装備していたのに、ブリに手も触れずカチカチカチ。

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船で血抜きされたブリがフォークリフトで運ばれて来て、シートの上に撒かれる。わらわら集まった漁協スタッフと漁師さんたちが、発砲スチロールの箱に入れ、重さを計り、箱にキロ数を書いてコンベアに乗せる。コンベアを進むブリは、小値賀ロゴの入ったビニールで覆われ、トラックの荷台から氷を浴びる。そして待機している運搬船の船底にどんどん積まれる。船底がいっぱいになると甲板に。この船の傍で私はひたすらカチカチカチ。血抜き場の船の周りの水は、血で真っ赤に染まっている。

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途中、私が仕事中なのを知っている部長がやって来て「もうよかよ、あっこに鯛あるけん、持って行って」。やっぱりくれるのか、と申し訳なく思いつつ、残り少ないから最後までやりますと、もうしばらくカチカチカチ。今夜の送別会用のブリを買いに来たと見られる職場の人が遠くに見えて、大きく手を振るが気づいてもらえず。「鯛もらったから魚いらないですよ」と伝えるべく今度は電話するも空振り。カチカチやってる場所を離れる訳にもいかない。

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ジャケットを着たおじいさんがふらりと寄って来て「今何匹くらいですか」と聞く。「667です」。本当に終わりが見えて来た。最終的に押した数は728。長靴と手袋を返してお礼を言っていたら、漁協のにいさんたちがしきりに手招きする。「これ組合長が持ってけって言うとるよ」。「これ」とはもちろんブリ、でかいの一本きれいに箱に寝そべっている。あのおじいさんは組合長だったのか。カチカチやってただけで 8.3kgのブリと鯛。こんなうまい話があっていいのか。

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